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  • 執筆者の写真Hyogo Paris

パリの新型コロナウイルス事情

更新日:2020年8月31日

世界中で猛威を振るっている、新型コロナウイルス。パリの現状をお伝えします。


 フランスにおける感染者数はここ数日で急増しており、3月19日現在、感染者数は9,134人、死者は264人になっています。

 3月12日に、マクロン大統領がテレビ演説を行い、外出の自粛や在宅での勤務を国民に呼びかけました。にもかわわらず、人とのおしゃべりが大好きなフランス人、なかなか外出の自粛をせず、2日後の3月14日にフランス政府より、レストラン、カフェ、映画館、ディスコ等が閉鎖となり、スーパー、薬局、銀行等の生活に必要な施設のみ営業が許可され、真に必要な買い物、運動等以外は外出しないよう呼びかけがありました。驚くべきはこの発表がされたのは実施のおよそ4時間前。土曜日だったので、私はレストランで食事をしていたのですが、お店のおじさんが「今夜からレストランが閉鎖になるよ」と教えてくれました。


 しかし、良くも悪くもあきらめないのがフランス人のようです。外出自粛&レストラン・カフェの閉鎖にも心折れず(?)、公園やセーヌ川沿いで集まり、スーパーで買った飲み物を持ち寄っておしゃべりをする集団が続出。フランス政府がついに激怒し、3月17日午後12時から外出禁止措置が取られ、外出は近場の商店での買い物、個人でする運動、通院等に制限され、外出理由を記載した証明書と身分証明書の携帯が義務付けられました。仕事も基本的に在宅勤務とするように、とのこと。フランス全土に検問が敷かれ、警察官や憲兵が巡回し、違反すると罰金は135ユーロ

フランス政府による外出証明書。該当する外出理由に☑を記入し、携帯します。


 外出禁止措置が発表されたのは、実施の前夜20時。当日の午前中にあわてて事務所からパソコンや書類を持って帰ってきて(ぎりぎり12時前に帰宅!)、いざ12時…のはずが、家のベランダから外を見ていたら、みんないつもどおり歩いている!子どもたちの声も聞こえる!車も走っている!!知り合いのフランス人によると、開始直後だからまだ取り締まりも厳しくないし、最後の出かけるチャンス!ってことでみんな出歩いていたみたいです(;^_^Aそんな国民性だからか、マクロン大統領のインスタグラムにはこんな投稿が。

(マクロン大統領のインスタグラムよりスクリーンショット)

「助かりたければ、家にいろ」

 かなり強めに言っています。


 さて、外出禁止措置開始2日目。偵察も兼ねて近所のパン屋さんとスーパーへ(もちろんしっかり外出証明書は持参!)。パン屋さんのショーウインドーには色とりどりのお惣菜が並んでいるのですが、新型コロナウイルス対策でケースはからっぽ。パンの受け渡しも、代金の支払いも、お互い触れることなく、カウンターに置いて渡すことを徹底していました。そしてスーパーは入店制限がかけられ、列も間隔を1mあけて並ぶように、とのこと。

  ずら~っと並んでいます。


 そこで、入店待ちの間は町の様子観察タイム。警察官が2人、巡回していましたが、特に誰にも声をかけることなく、行ってしまいました。おじさんが警察官に紙(おそらく例の外出証明書)を見せていたので、やっぱり確認されるのか?と思ったのですが、どうやらおじさんが外出証明書はこれでいいのか、と警察官に尋ねていたようです。

 入店できるまで15分ほど待ちましたが、そのおかげで店内はガラガラ!前日までは買い出し客が殺到して、大混雑&品薄状態だったのが、お店貸し切り気分、商品もゆっくり選べる、レジも並ばなくて済むし、結果いいことづくし…?なんて思ったり。普段と違うのは、量り売りのナッツやブルーベリーは販売停止していました。これも不特定多数の人が商品に直接手を触れて感染が広がることを防ぐためではないでしょうか。


 そして、この記事を書いている最中も、窓の外から拍手とイエーイ!という声が。しかもかなりの人数!!まだ集まることを諦めないのか、と思ったら、なんとあちこちの家の窓から拍手している人の姿が!!

 実はこれ、前日の夜に、20時から5分間、家の窓やバルコニーから拍手をすることで、新型コロナウイルスと戦う医療従事者へエールを送ろう、という動きがあったのです。おそらく私が住んでいる地区でも、その活動にならって住民が20時に続々と拍手をしていた模様。そのうち、イタリアのようにバルコニーオペラがフランスでも聴こえてくるのでしょうか。大変な中にも楽しみを見つけるところは、ヨーロッパの国々の好きなところでもあります。

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